今の時代、スーパーに行けば、年中どんな野菜でも手に入れることができるし、コンビニエンスストアでも最低限の野菜は購入できるようになってきていますね。農業技術の発達により、亜熱帯の野菜が寒冷地で栽培できたり、夏の野菜が冬に栽培できるようになってきたため、便利ではある反面今やどれが「旬」の野菜なのかわからない人も多くなってきているのではないでしょうか。
今回はそんな「旬」とは何なのか?のお話です。
旬には、3通りの意味があります。
・季節を先取りするはしりが出る時期
・収穫量がピークに当たる時期
・素材が最も美味しい時期
春夏秋冬、四つの季節がある日本では、昔から「旬」を大切にし、四季の移り変わりによって収穫できる野菜をその季節ごとに大事に食べてきました。
旬野菜というのは、ただその時期に収穫できるだけでなく、食することで私達の体がその季節に順応できるような効果をもたらします。
例えば、
⚪︎春野菜・・・ふきのとう・菜の花など(香りや苦味の強いものが多い)
→ビタミン、ミネラル、食物繊維が豊富で、疲労回復に効果的。春先に多い皮膚や粘膜のトラブル解消、便秘予防にも役立ちます。五月病で体がだるいときや花粉予防にも良さそうですね。
⚪︎夏野菜・・・きゅうり・トマト・なすなど
→夏野菜に含まれる水分やカリウムは、汗で不足しがちな水分を補給し、熱のこもった体を中からクールダウンさせる効果があります。クーラーをキンキンにつけがちな夏こそ夏野菜を食べて体の内側から冷やしていきたいですね。
⚪︎秋野菜・・・ごぼう・いも類・きのこ類など
→エネルギーの高いでんぷん質を含むいも類などが多く、夏に消耗した体力を回復したり、冬場に風邪を引かないようにエネルギーや脂肪を体内に蓄える効果があると言われています。
⚪︎冬野菜・・・白菜・ねぎ・ほうれん草・ブロッコリーなど
→ビタミンやカロテンなどの栄養価を多く含む野菜が多く、体の免疫力を高め風邪予防に役立つ効果があります。
このように旬の野菜は、食べることでそれぞれの季節に体を順応させてくれます。先にも述べたように、今では旬の時期に関係なくどんな野菜も年中育てられる時代となりましたが、やはりそのためには成長を早めるために化学肥料を大量に使ったり、十分な太陽光を浴びられないために栄養素が減少したりと、人工的に作られた環境で育てる野菜には、負荷がかかってしまいます。
しかし旬の季節に育てた野菜は最適な自然環境で大量に収穫でき、旬以外の時期に育てるよりも何倍もの栄養素が詰まっています。また味も濃くとても美味しいです。
「旬」の野菜を食べよう、とよく言われますが、それにはきちんと意味があったのです。
季節の変わり目だったりふと思い出した時にでも季節の物をとり入れて体に優しく、昔のように、「旬」を通じて日本の四季を感じてみるのも良いのではないでしょうか。