【宮城県村田】魅力的な野菜を創造し続ける農業博士、佐藤民生さん

【宮城県村田】魅力的な野菜を創造し続ける農業博士、佐藤民生さん

宮城県村田の道の駅で農家さんを紹介してくださいと聞くと、真っ先に名前が挙げられたのが佐藤民夫さん。すぐに連絡してみると快く今からでもいいよと言ってくださり、すぐさま訪問させていただきました。黄色のコンテナを逆さにした即席の椅子に腰掛け、畑を見ながらたくさんお話をさせていただきました。

『カラフルなサラダアスパラとサラダ人参』

 初めはどんなきっかけでもいいから、少しでも多くの子供達に野菜に興味を持って食べて欲しい。そんな理由から、約5種類の色があるアスパラや人参を作っています。色は紫、赤、黄、ピンク、緑など様々な色があります。

日光に当てるタイミングや時間を調整することで、このような鮮やかな色になります。アスパラは太いものではオロナミンCのそこの太さくらいのものまであり、筋っぽくなく柔らかくて美味しんですよ。大きいと大味になるイメージってありませんか?それはイメージなだけであって実際は野菜はサイズにかかわらず細胞の数は同じで大きくなるとそれだけ水分量が増えてみずみずしくて美味しいんです!

現在作った野菜の一部を地元の給食センターに卸し、村田の子供たちにも食べてもらっています。

『野菜とそれが育つ環境との相性を研究し続ける』

50歳くらいまではダイヤモンド会社の営業をしていました。父が農家であったためそれを継ぐ形で農業をスタートしました。より村田の土地にあった農業を実践するため、1つの作物でも、数十種の種を撒いて試行錯誤を重ね、その土地に一番合う品種を見つけ出しながら野菜作りをはじめました。この方法は、現在でも続けて常に変わる環境に対応しています。

蔵王連峰の麓であるここ村田はヨーロッパの地質に似ており石英:アルミニウムが2:1で珪酸質が多く、野菜の幹が太くなりやすくなります。そのため葉が大きくなり光合成をより多く行うことができるためより美味しい作物を作ることができるんです。そんないい土地でも野菜との相性もあるので現在でも1つの作物でも数十種の種を撒いてその土地に一番合う品種を作っています。また、太陽や風、野菜の育つ癖をよく知り野菜の植える方向(畝の方向)もその野菜ごとに変えています。

 今では新規就農をしたい人が年に何人か来るため新しい情報を取り入れながら常に研究して野菜作りをしています。

『野菜の旨味』

 緑のブロッコリーと少し黄色くなってきたブロッコリーなら皆さんならどちらを手にしますか?

 以前スーパーにいった際に野菜売り場コーナーを見ていると緑のブロッコリーからなくなっていき驚きました。確かに緑色の方が新鮮に見えるかもしれません。しかし野菜によっては少し時間をおいたほうが美味しい野菜もあるんです。時間を置くと酵素の力で旨味が増すためブロッコリーも少し黄色くなってきた方が旨味が強いんです。

野菜は作り方で味や甘みが大きく変わってきます。村田はそら豆の名産地と言われており今でも多くの農家が栽培しています。その中でも私が作っているそら豆は一般に流通しているものより糖度が5度高く、およそ20度ほど。フルーツのブドウと同じくらいの水準と言われています。

これからも研究しながら楽しく続けていきたいですね。

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