今回は、宮城県石巻市で無農薬の野菜と平飼いの鶏を育てる「つるじい」にお話を伺ってきました。
(初物の無農薬白菜を収穫してニコニコのつるじい)
「雑草が無農薬野菜の味方?」
つるじいの育てる野菜は全て無農薬で育てられている。除草剤も使用していない。そのため、余分な雑草は全て手刈りをしているため、草がボーボーな時もある。しかし、その雑草を良く見てみると「ハコベ」も生えている。
「ハコベ」は春の七草の1つ「はこべら」のこと。実は畑の豊かさの象徴とも言える存在なのである。
(少し変わった大根も素敵)
ハコベは秋に発芽して越冬し、春になると可愛い小さな花が咲く。つるじいは「雑草と聞くと抜かないといけないと思いがちだがハコベのように抜かなくてもいい雑草もあるんだよ。なぜ抜かなくてもいいかというとハコベは他の野菜と共存できるから。
(ネギの仕分け作業)
葉物野菜の近くに生えていると絡まって大変なこともあるけども、害虫を寄せ付けないという効果があるから、ハコベは残してるんだよね。それに、ハコベは、他の雑草を抑える効果もあって、背も高くなく根の張りも弱い。だから野菜の生育の邪魔にはならないで、むしろ味方なんだよね」とニコニコ笑顔で話す。
(白菜収穫の様子)
「自慢の平飼い卵」
平飼いとは地面に放して飼育され鶏舎内を自由に動き回れる環境で飼育することです。
スーパーに並ぶ卵のほとんどはケージ飼いの卵。平飼いとは違いカゴに入れられて飼育するため自由に動き回ることができず運動もできない。
(平飼いで元気に動き回るニワトリたち)
つるじいが育てる鶏たちは自由に動き回れて、栄養価の高い餌を食べているため、ストレスなく健康的で病気になりにくい体に育つ。つるじいは「みんな自由に動き回っているけども鶏も人間同様にいじめのようなことがあるんだよ。だから相性の悪い鶏同士は離して育ててるんだよ」と鶏一匹一匹が育ちやすい環境を作っているそうだ。そんなつるじいに育てられた平飼いの卵は明るいレモンイエローで味が濃く卵かけご飯が絶品である。
「つるじいの魅力に魅せられ自然と集まる人々」
つるじい農園には常に多くの人が集まる。つるじいの農業に対する姿勢や食に関する考え方に共感して、約1年前から石巻にある農園に、毎週のように続々とボランティアの方達が来ている。
(田んぼの真ん中で昼食)
ボランティアの多くは、仙台に住む主婦やその子供達。参加者の多くは「自分の体に入るものがどのように作られ育つのかを実際に体験できるため安心して食べることができる。それに、少しでも自分が関わることで、食べた時の嬉しさやありがたみが大きい。何より無農薬の畑のため子供達を安心して遊ばせることができる。」と楽しみながらつるじいのお手伝いをしている。ボランティアでは農園の草むしりをしたり、裸足になって手植えで田植えをしたりと時期によって様々だ。
午前中はみんなで農作業をし、一緒につるじいの畑から採れた野菜をふんだんに使ってお昼ご飯を食べるというのがお決まりの流れになっているそうだ。
(作業後のホッと一息タイム)