とにかく採れたてを食べて欲しくて、畑で販売してる。

とにかく採れたてを食べて欲しくて、畑で販売してる。

岩手県北上市でユニークな方法でアスパラガスを栽培、販売しているのは石井健一さん。石井さんのアスパラガスの魅力は何といっても畑にアスパラを直接買いに来てもらうといった販売方法。実はアスパラガスは野菜の中では収穫してからの鮮度の変化がとっても早く、収穫したてのおいしさは格別。できる限り新鮮でおいしい状態で食べてもらいたいという気持ちから、基本的には収穫をしている横で同時進行で販売をしている。(!)

私が販売開始の夕方4時頃に伺った際には畑に10人ほどのお客さんの列が既にできており、横ではアスパラを収穫している従業員の方、そしてお客さんと和気あいあいと話しながらアスパラガスを販売する石井さん、という景色が広がっていた。収穫と販売を同時に行うこの初めて見る光景に、とてもワクワクした。 毎日朝6時と夕方4時に畑にて販売をしているそうだ。前回の野菜便でお送りしたアスパラガスは冬の間に、土の中で育ち、春になり芽を出す。甘みが強く貴重なアスパラガスだ。

実際に購入しに来られた方は、今から自分が食べるアスパラガスがどのように栽培されていてどのように収穫されているかを直接見ることができるため、安心して購入することができる。なにより農家さんや野菜に対して感謝をしておいしく食べることができる。毎年、チラシを作成しているが配りきる前に現地のアスパラが無くなってしまうという大盛況ぶり。 そんな素敵な販売方法をとっている石井さんは他にもユニークなアイデアで農業を行っている。その中でも昨年から始めた取り組みで「貸し農園」というものがある。

貸し農園という言葉を聞いたことがある方もいると思うが石井さんの貸農園は少し他とは変わっている。 というのも世間一般の貸農園とは自分の持っている畑の一角を、家庭菜園はやりたいけど土地がない方に貸して家庭菜園をやってもらうという方法がほとんど。それに対して石井さんの貸農園は収穫だけお客さんにしてもらうというスタイルだ。 季節の旬の野菜を石井さんが管理し、 お客さんには野菜が欲しいときに自由に畑に来て必要な分を自分で収穫してもらうという言わば超天然自然スーパーだ。

石井さんは言う「季節や気候を無視して人間の都合で野菜を育てようとするから農薬を使わないといけなくなる。無理をしないで旬の時期に旬の野菜を育てることにより無駄に農薬をかけなくて済む」と。石井さんの貸農園ではそんな旬の野菜を栽培している。

石井さんの栽培するアスパラガスを食べた人はアスパラガスへの概念が変わるのではないかと思う。私もそのうちのひとりだ。太いアスパラガスは筋張っていて固い。というイメージを持ちがちだが石井さんのアスパラガスは細くても太くても柔らかくとっても甘く、こんなにおいしい野菜なんだと再認識させられる。  

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