【岩手県北上】一皿へのこだわりを求めて西洋野菜を作る高橋賢さん

【岩手県北上】一皿へのこだわりを求めて西洋野菜を作る高橋賢さん

岩手県北上市で、彩り豊かな西洋野菜を栽培する、うるおい春夏秋冬(ひととせ)の代表 高橋賢さんに取材をしてきました。

 

『一皿へのこだわりを求めて、伝統西洋野菜に辿りつく』

 以前は東京の麹町で寿司職人として働いてました。東京の大学だった自分は「家から近い」「賄いがつく」という理由から寿司屋でアルバイトをし、そのまま就職しました。

 その後転職して地元である岩手に戻ったり、歴史が大好きだったので1年間中国に留学したりしました。いずれは地元に帰るつもりでしたし、父が兼業農家であったためその農地で野菜を育て始めたのが「うるおい春夏秋冬」の始まりです。

 

農業を進める中で、元寿司職人ということがあったせいか、野菜が調理されてテーブルに並んだ時のことを考えることが多いんですよね。いかに一皿の中でお客さんに喜び、楽しんでもらえるか、そんなことを考えながら農業をしていたら、彩り豊かな伝統西洋野菜の栽培にたどり着いていました。

 今でもうちの野菜を仕入れてくださっているレストランには自ら野菜を持って行き、どんな野菜があったらお客さんに喜んでもらえるか、を常にリサーチして野菜作りをしています。現在ではレストランだけでも40店舗ほどになっています。レストランの人たちとのコミュニケーションが増えるにしたがって、毎年育てる野菜の種類が増えていくような気がします。

 

『フィレンツェの貴婦人』

 うるおい春夏秋冬では、フィレンツェの丸なすを「フィレンツェの貴婦人」と名づけ育てています。

肉厚でふわふわした食感が特徴で、グリルやソテーが絶品。野菜ではありますが、食事のメインディッシュにもなります。

しかし、油を吸いすぎるため揚げ浸しは向いていないのでお気をつけください。

このフィレンツェの貴婦人を初めて育てた時は、タネの選別が大雑把(海外の人特有の)であったため、丸なすのはずなのに長いものができたりゼブラ模様になったり。それを自分たちで丸いものの種だけを残し今の状態になりました。

日本では、大きくなりすぎたナスは好まれない傾向にありますが、ヨーロッパでは、昔から「貧乏人のキャビア」とも呼ばれていて、大きくなった時のタネのプチっとした食感を楽しんでいたそうです。

 

『野菜を通して楽しいことをやり続ける』

 新型コロナウイルスが広まり始めたくらいに色んな場面でオンライン化が急速に普及したじゃないですか。でも自分はそこにリアルが少しでも生まれれば良いなと思い「煮込み会」というリアル×オンラインでの料理教室を行ったんです。現地では人数を制限して料理をし、オンラインで参加できる方はネットを介して参加し、料理をするというイベントで豆板醤を仕込みました。

 このイベントがなかなか好評でしたので今年10周年ということもあり何か新しいことをしたいと計画中です。

 オンラインが広まっているからこそそこで少しでもリアルを感じてもらえたら面白いなと思い、いろんなアイディアが出てきてワクワクしています。

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