よむ月替わり通信 2026.3

よむ月替わり通信 2026.3

とうほくやさい便の定期便には毎月ニュースレター「月替わり通信」を同封しています。野菜の魅力をいろいろな角度からお伝えしながら、その月にお届けする野菜を使ったレシピも掲載しています。

2026年3月


野菜の一生に物語をのせて

土地土地の野菜が受け継がれているのは、かっこいい農家さんがいるから。そして何より、野菜を手にしてくれる人がいるから。

繋ぐ物語

育てる人が種をセレクトするアツさ 

山の上と砂地では同じものが育たないように、野菜も土地に合わせた性格を持って、この土地じゃないとこの味にならない、という個性が出る。その中でよりたくましく育ってきた野菜の種が農家さんにセレクトされて残っていく。作る人だけでなく、野菜を受け取った人も、貴重な種を残している一人になる。

国産の中の、地方の中の、その土地、その家族だけの味  

秋田では「三関せり」「山内にんじん」「沼山大根」など、野菜の名前に地区の名前がかんむりのようについている野菜がある。同じように日本全国どの地域でも。共通しているのは、毎年特定の季節になるとやってくること。そして、スーパー、市場、八百屋さんにそうした野菜が登場すると、地域の消費者にとってオッ。とついほころんでしまうような愛嬌がある。野菜からも四季の順繰りが分かって、暮らしや食卓にリズムが生まれる。そんな地元の人にとってアイドル的な野菜は、ブランド感がある。なんなら、農家さんの知り合いの知り合いくらいまでしか行きわたらない野菜なんて、もっとプレミア感がある気がする。 とうほくやさい便でも「仙台せり」「ひろっこ」のような代表格の伝統野菜もお届けをさせていただいてきましたが、細いながらも長らく守られてきた野菜も多々受け取っていただいています。

台所の物語

野菜と調理体験の交差点

家族がいても一人暮らしでも、忙しい日々を送っている人が何を食べるかを考え作り上げる作業はなかなか大変な仕事です。生活を便利にしてくれるフードテックの発展においては、調理分野のスマート化は少しだけ特殊で、テクノロジーに胸を借りるだけでは必ずしも満たされるとは言いきれない部分があるようです。手を動かす調理のプロセスが楽しみやQOLの向上と結びつきの強いカテゴリーであるからです。調理は暮らしの武器になる要素を含んでいることも機械に代わりづらい点かもしれません。
野菜を見て、手で持って、ちょっと生を味見して、こんなふうに食べよう、と思いつきで手を動かしてみると自然に美味しいものができたりもする。かぶを掴んだとき、このかぶ目が詰まっているな〜とはなかなか思わないかもしれないけれど、重みによって瑞々しさを感じる時に、満たされる感覚がある。たった1杯のみそ汁を作るために揚げなすを本気で用意したっていいし、食材や火加減で、未知数の掛け合わせをもつ調理は自宅でも取り組みがいがある。

名人の物語

世代をこえて受け継がれてきたバトン

宮城県川崎 石井さんのネギ(2026年3月お届け)は、口当たりの柔らかさが特徴の古い品種のネギです。なんと石井さんのお祖母様が嫁がれてきた頃に本家から分けてもらったネギを、株分けしながらつないできたもの。特別な名前はついていませんが、70年くらい生き延びてきた大変歴史の長いネギとのことです。 品種の特定には至っておりませんが、諸特徴から九条ねぎ由来の系統と推察されます。青い葉をたっぷり食べるタイプなので、栄養価も高く体にも嬉しいですね。 ちなみに、スーパー等で見かける長ネギは、加賀系、千住系が多く、白く太い部分を食す種類です。地方ごとにいろいろな野菜が受け継がれていて、興味深いですね☆

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