雪の中は天然の冷蔵庫

雪の中は天然の冷蔵庫

長い冬も野菜を絶やさない雪国の知恵

農業が盛んな東北の山間部は、日本屈指の豪雪地帯です。冬になると畑から野菜を収穫できなくなるため、農家の方々はさまざまな工夫を凝らして野菜を貯蔵し、冬でも新鮮な野菜を食卓に届けてきました。乾燥させたり、塩漬けにしたり、雪の中で保存したりと、自然の力を活かした方法が受け継がれています。中でも寒風にさらして作る「凍み大根」(しみだいこん)は、夜の寒さで大根を凍らせ、日中の寒さの緩みで溶かす工程を繰り返して出来上がる保存食。寒さが厳しい土地の自然の芸術とも言える保存方法です。

環境にやさしい自然エネルギー

近年、再注目されているのが雪を活用した野菜の保存方法です。中規模の農家さんでは倉庫に雪を積み上げて雪室を施設化し野菜を貯蔵しています。電気を使わず環境にもやさしいこの方法は、持続可能な農業にもつながっているんです。とうほくやさい便がお世話になっている個人農家の方々では雪の中に直接、野菜を保存・熟成させ「雪下野菜」として商品化されている農家さんもあります。

雪の温度と湿度がちょうどいい

みなさんは雪の中の温度が何度かご存知ですか?これが野菜に最適な0度ほぼ一定で保たれています。また湿度は90%前後でこちらも野菜の貯蔵に最適。しなびることなくみずみずしさを保つことができるぴったりの湿度なんです。

このように、雪が深く積もる地域では昔から、野菜を絶やさないように様々な工夫が重ねられてきました。雪国ならではの貯蔵方法を知ることで、野菜の奥深い魅力を感じてもらえると嬉しいです。

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